「うちのような小さな工場が狙われるはずがない」——ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)の被害は、規模を問わず起きています。攻撃の多くは特定の会社を狙い撃ちするのではなく、無差別に仕掛けたものにたまたま引っかかる形だからです。ここでは、自動車整備工場・車販店が今日から実行できる7つの備えを整理します。
ランサムウェアとは何が起きるウイルスか
感染すると、パソコン内のファイルが暗号化されて開けなくなり、元に戻す条件として金銭を要求されます。整備システムのデータベース、見積書、写真、Excelの台帳まで一気に読めなくなります。さらに厄介なのが、感染したパソコンから見えるドライブも巻き込む点です。USBでつなぎっぱなしの外付けHDDや、共有設定されたNASも暗号化されます。「毎日バックアップを取っていたのに、そのバックアップも壊された」という事例はここから生まれます。
今日からできる7つの備え
1. バックアップを遠隔地にも置く
感染しても、別の場所に無事なコピーがあれば復元できます。3-2-1ルールの「1つは遠隔地」がそのまま対策になります。
2. 複数世代を残す
感染に気付くのが数日遅れると、1世代しかないバックアップは既に汚染されています。30回分など複数世代あれば、健全な時点に戻せます。
3. バックアップ媒体を常時接続しない
作業のときだけ接続する運用にする、またはパソコンから直接見えないクラウド保管にします。
4. Windowsとソフトのアップデートをためない
古いままの状態は、既に知られている侵入口を開けたままにしているのと同じです。
5. 心当たりのない添付ファイル・リンクを開かない
請求書や配送通知を装ったメールが典型です。取引先を名乗るメールでも、いつもと違う添付形式なら電話で確認してください。
6. パスワードを使い回さない・共有しない
整備システムのIDを全員で共用している工場は珍しくありませんが、記録簿を電子保存する場合はID共用は認められていません。担当者ごとに分けてください。
7. 復元手順を紙で残す
感染時はパソコンが使えません。連絡先とバックアップからの復元手順は、印刷して事務所に置いておきます。
もし感染してしまったら
- 感染した端末をネットワークから切り離す(LANケーブルを抜く/Wi-Fiを切る)
- 他のパソコンや外付けHDDを接続しない
- 身代金は支払わない。支払っても戻る保証はありません
- システムの保守窓口・警察(サイバー犯罪相談窓口)へ連絡する
- 健全な世代のバックアップから復元する
結局、いちばん確実な対策はバックアップ
ウイルス対策ソフトは入口を減らす対策で、100%ではありません。一方、無事なバックアップが遠隔地にあれば、最悪でも「戻して再開する」で終わります。復旧業者に依頼したときの費用と比べても、備えておくほうが圧倒的に安く済みます。
整備システムのデータ、いまのバックアップで戻せますか
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クラウドバックアップの仕組み・導入前チェックリスト・料金の考え方は 自動車整備ソフトのクラウドバックアップ 完全ガイド でまとめています。